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累計3万店舗が参加!居酒屋業界を変えた「学びの革命」とは?— 居酒屋甲子園が拓く、 “共に勝つ”未来

累計3万店舗が参加!居酒屋業界を変えた「学びの革命」とは?— 居酒屋甲子園が拓く、 “共に勝つ”未来

公開日:2026.01.29

更新日:2026.01.29

食団連の会員団体インタビューは、加盟する団体同士の相互理解とコミュニケーション活性化を目的としてスタートした新企画です。各会員団体さまの、ミッションや活動、食団連への期待をまとめます。

記念すべき第一回は、2006年に設立された、NPO法人居酒屋甲子園です。

「居酒屋から日本を、世界を元気にする」という熱いミッションを掲げ、19年間にわたって全国の飲食店に学びと成長の機会を提供し続けている居酒屋甲子園。その活動内容や意義、今後の展望について、9代目理事長の和田裕直さんに伺いました。

居酒屋甲子園プロフィール

NPO法人居酒屋甲子園の、主な活動内容について簡単に教えてください。

活動の柱は大きく2つあります。一つは、日本一の居酒屋を決める全国大会「居酒屋甲子園」の運営です。今年は約1,200店舗がエントリーし、日本一を目指して熱い選考を繰り広げています。

もう一つが、全国各地での「勉強会」の開催です。地区ごとの勉強会に加え、全国7箇所で「令和外食塾」という塾形式の研修も実施しています。経営者やマネージャー、店長の皆が共に学び、実践できる場を創っています。

全国の優秀店舗のノウハウストーリーで居酒屋業界を変える

「居酒屋甲子園」はどのような目的で設立されたのでしょうか?

全国の飲食店が、「共に学び、共に成長し、共に勝つ」社会を創るために設立されました。

2006年の設立当時、飲食業界には運営の成功法則を体系的に学べる場がありませんでした。誰もが手探りで店を営み、身近な人脈の中で相談しあうしかない、という状況だったのです。

この現状を打破しようと、初代理事長の大嶋をはじめとした創業メンバーが議論を重ねました。アイデアを出し合う中で、大嶋がある会社の総会に参加し、繁盛店の裏には素晴らしいノウハウだけでなく、人の心を動かす熱い志や【感動のストーリー】があることに気づいたのです。そこで、日本中の優れたノウハウと、その背景にあるストーリーを掛け合わせて共有できる場が必要だという考えに至りました。

こうして生まれたのが、日本一の居酒屋を決める全国大会を実施し、そこで得られた経験や知識をすべて共有するというアイデアでした。その根底には、業界の垣根を超えて「共に学び、共に成長し、共に勝つ」社会を創りたいという強い志がありました。

そして何より、「飲食業を、未来の子どもたちが憧れる職業にしたい」——。そんな大嶋の熱い想いから、居酒屋甲子園はスタートしました。

参加することで、店舗やスタッフにとってどのような価値があるのでしょうか?

店舗にとっては、全国レベルでの自店の立ち位置を確認でき、他店の優れた取り組みを学ぶ絶好の機会となります。

実際に、大会で共有された好事例——トイレのアメニティやウェルカムカードなど——が業界全体のスタンダードになった例も数多くあり、居酒屋の文化を変える力があると感じています。

スタッフにとっては、「成長」と「自己実現」のきっかけにつながっています。目標が生まれることで、日々の仕事に意義が生まれ、目の色が変わるスタッフも大勢います。

また、仲間とともに全力でチャレンジする中で、時にはスタッフ同士でぶつかり、涙を流すこともあります。「何のために飲食店で働いているのか?」その問いに行き着く中で、お客さまの笑顔が見たい。仲間とともに成長したい。そんな、飲食の素晴らしさや仕事のやりがいを再発見する場にもなっています。

自分に自信を持てず、何となく働いていたスタッフが、全国大会当日、数千人を目の前に、壇上で堂々と想いを語る。そんな姿に、多くの人が大きな感動や刺激を受けます。この感動こそが、来年は勝ちたい、もっと本気で働きたい。そんな大きな変革の渦を作ってきたと考えています。

そして、人が輝くきっかけを創り、飲食業に夢や希望を持つ人が増えることこそが、私たちの願いでもあります。

「居酒屋甲子園」では、どのように日本一が決まるのですか?

まず、エントリーした全店舗を対象に、3回の覆面調査を実施します。その結果をもとに地区大会進出店舗を選出し、地区大会、最終審査を経て、全国大会へ進む5店舗を決定します。

全国大会では、この5店舗がステージ上で自店の取り組みについてプレゼンテーションを行い、会場の参加者による投票でその年の日本一が決まります。時代の変化に合わせて「お客さまに求められる店=繁盛店」の条件を常に見直し、審査基準を更新しているのも特徴です。

なぜ人は損得を超えて集うのか?受け継がれる「強烈な志」

設立から19年間、なぜこれほどの影響力を保ち続けられるのでしょうか?

創業時から受け継がれる「強烈な志」と、理念への共感が最大の理由だと考えています。活動はすべてボランティアで成り立っていますが、損得を超えて「共に成長したい」と願う人々が全国から集まっています。

毎月開催される全国理事会など、理事間の密なコミュニケーションも強さの秘訣です。運営に関する情報共有はもちろん、互いの事業を支援し合う強固な結束力が生まれています。また、理事の任期を2年と定め、時代に合わせて組織が柔軟に変革できる仕組みも、この永続性につながっていると感じています。

今年私は一期目となりますが、今年の運営で実感したことを来期に生かし、変革を生み出していけたらと思っています。

今後のさらなる発展に向けて、食団連に期待することをお聞かせください。

団体の垣根を越えて、業界全体で学び合える「場」を創出していただけることに大きな期待を寄せています。

各団体の理事が集まってディスカッションができる機会があれば、きっと新たな連携が生まれると思います。

また、飲食業だけでなく、観光やブライダルといった他産業から学ぶ機会も非常に有益だと考えています。さらに、海外人材の雇用や税制問題など、一団体では解決が困難な業界共通の課題について、食団連という大きなプラットフォームを通じて政策提言できることにも期待しています。

最後に、他の会員団体へメッセージをお願いします!

私たち居酒屋甲子園は、業界の発展のためであれば、どこへでも参ります。皆さまの理事会や勉強会などにもぜひ参加させていただき、知見を交換し、交流を深めさせていただけると嬉しいです。いつでもお気軽にお声がけください!

Writer /

記事担当ライター