佐久間氏の経歴とfreeeでの役割
質問:佐久間さんのこれまでのご経歴と、freeeでの現在のお仕事を教えてください。
佐久間氏: はい。私はキャリアの多くを飲食業界向けのBtoBビジネスに費やしてきました。EPARKで10年間、飲食店様向けにグルメサイトや広告を販売し、その後LINEで8年間、LINE公式アカウントの営業やアライアンスを担当しました。
2024年の7月にfreeeへ入社し、2025年に新しく立ち上がった飲食店様向けの専門組織の責任者を務めています。
freeeのプロダクトと飲食業界へのアプローチ
質問:freeeは会計ソフトのイメージが強いですが、飲食業界に特化したアプローチとはどういったものでしょうか?
佐久間氏: おっしゃる通り、freeeは会計や確定申告のイメージが強いと思いますが、現在は人事労務領域や電子契約の領域まで、企業経営全般をサポートするクラウドのプロダクトを提供しています。
これまでは全業種向けのプロダクトでしたが、飲食業界に限らず、業界特有のルールや慣習、それに伴う課題があります。そうした業界固有のペイン(課題)にもっと深く寄り添うべきだという方針のもと、専門チームが設立されました。
食団連オフィシャルパートナーとしての学び
質問:食団連のオフィシャルパートナーになってみて、どのような気づきがありましたか?
佐久間氏: 最も衝撃的だったのは、多くの飲食店経営者様が「どの会計ソフトを使っているか興味がないし、下手すると把握していない」という現実でした。
社長様に直接お話ししても決定権がないことが多いことに加え、飲食業界は個人事業主や一店舗のみで運営されている方が圧倒的に多い。これは、我々のプロダクトの届け方を抜本的に変えなければならない、という大きな気づきになりました。
現場の課題解決への戦略転換
質問:その気づきを受けて、飲食店へのアプローチをどのように変えたのですか?
佐久間氏: 従来の「会計ソフトです」という切り口では、まったく響かないことが分かりました。
そこで、私たちはメッセージング(伝え方)を大きく変え、「店長を本気でサポートする管理システムです」という形にしました。
現場の店長様が「本当は料理やサービス、お客様対応に集中したいのに、経理や労務といったやりたくもない仕事に時間を取られている」という悩みにフォーカスし、そこをAIや自動化で解決します、というストーリーでご提案するようにしています。

食団連との関わりと今後の展望
質問:食団連に加盟された経緯と、今後の飲食業界に対する展望を教えてください。
佐久間氏: 加盟のきっかけは、EPARK時代から個人的に10年来のお付き合いがある食団連の深見理事のビジョンに共感したことです。「日本の飲食業界に、もっと高い視座で貢献したい」というお話を聞き、freeeが飲食業界に本格参入する今こそ、様々なフィードバックをいただけるのではと思い加盟しました。
我々の飲食業界に対する挑戦は、シンプルに「飲食店がやりたくないことを全部とっ払ってあげること」です。
我々はあくまで「黒子(くろこ)」として、飲食店の方々が料理やサービスといった本質的な業務に集中できる環境を支えたい。それが日本の食文化の発展に貢献することに繋がると信じています。

新構想「個店連合会」と業界へのメッセージ
質問:最後に、業界全体へのメッセージと、伺っている「個店連合会」という新しい構想について教えてください。
佐久間氏: まず業界の皆様にお伝えしたいのは、「オフィシャルパートナーを使い倒してほしい」ということです。飲食店様だけで課題を抱え込まず、我々のような専門知識を持つパートナーにどんどん提案させて、うまく任せてほしい。飲食業界を良くしたいという志は同じです。
そして「個店連合会」という新プロジェクトが食団連の中で立ち上がっており、現在私がこのプロジェクトの立ち上げをリードしています。食団連の重要な目的の一つに、行政や地方自治体との連携がありますが、そのためには業界の「声の数」(=加盟店舗数)が非常に重要です。
そこで、これまでどの団体にも属していなかった「個店」の飲食店様を食団連の仲間に巻き込むために、この新しい組織を立ち上げます。我々オフィシャルパートナーが特典(例えばfreeeのプロダクトを割引で提供するなど)を用意し、それらをフックに加盟を促します。
>>> 個店連合会について
飲食業界は、飲食店様だけで成り立っているわけではありません。我々のようなパートナーも含め、業界に属する全てのステークホルダーが当事者として、一緒にこの業界を盛り上げていくべきだと強く思っています。今後も飲食業界におけるfreeeにご期待ください。
取材協力 :フリー株式会社
飲食店支援事業部 事業部長
佐久間 清孝氏
企業URL: https://www.freee.co.jp/