――リクルートが考える、食産業DXと“共創”のこれから
――まずは、御社の事業と飲食業界との関わりについて教えてください。
私たちは飲食店の皆さまを、集客支援・業務支援・経営支援の三つの軸で支援しています。
集客支援では『ホットペッパーグルメ』を通じた送客を、業務支援では「Air ビジネスツールズ」を中心に、予約管理、注文、会計、店舗運営といった日々の業務オペレーションの効率化を提供しています。
同時に、これらのサービスは飲食店利用者にとっても、「お店探し」「予約」「注文」「会計」までの一連の体験をよりシームレスで快適なものにする役割を担っています。
飲食店とお客様、その双方の体験価値を高めることが、私たちの基本的なスタンスです。

――食団連オフィシャルパートナーに参加されたきっかけは何だったのでしょうか。
食団連への加盟は2022年でした。
ちょうどその頃、当社として『Airレジ』『Airペイ』などのデジタルツールを、飲食店の皆さまへ本格的に広げていこうとしていた時期です。
当時は、mPOSやモバイルオーダー、経営管理ツールといった概念自体が、いまほど一般的ではありませんでした。
飲食店の皆さまにとっても、「何ができるのか」「導入すると何が変わるのか」がまだ十分に共有されていなかったと思います。
一方で、私たち自身も、従来の『ホットペッパーグルメ』中心の集客支援から、業務支援・経営支援へと領域を広げていく過渡期にありました。
その提供価値を、より深く理解し、磨いていく必要があったのです。
そんな中で、業界の経営者や支援企業、有識者が集う食団連に参加することで、自分たち自身が学び、その学びを飲食店の皆さまへの価値提供につなげられるのではないか。
そう考え、参加を決めました。
――加盟前に感じていた、飲食業界の課題はどのようなものでしたか。
飲食業界は以前から、人手不足や原価高騰といった課題を抱えていました。
そこに加えて、「やるべきことが多すぎる」という構造的な問題があると感じていました。
料理やサービス、空間づくりといった本来注力すべき部分以外に、事務作業や管理業務が年々増えていく。
それが、経営者や現場スタッフの負担になっている。
私たちは、その負担を少しでも軽くし、“本当に大切な仕事”に時間を使える環境をつくりたいと考えてきました。
――食団連の活動の中で、特に印象に残っている出来事はありますか。
直近では、2025年11月26日に開催された総会が強く印象に残っています。
食団連が5期目を迎え、より強固なチームとして次のフェーズに進もうとしている。
そんな空気を感じた一日でした。
部会の発足や活動報告を拝聴する中で、これまでの取り組みが、より具体的で実践的なフェーズに入っていることを実感しました。
各部会のメンバーも、業界の最前線で課題に向き合っている方ばかり。
「これは他人事ではない。自分たちも“我が事”として関わらなければ」
そう背中を押された場でもありました。

――オフィシャルパートナーとして、どのような価値を感じていますか。
何より大きいのは、業界の第一線で活躍されている飲食店経営者や支援企業の皆さまから
直接学べることです。
私たち支援企業同士は、普段は競合関係にあります。
ですが食団連の場では、「同士」としてビジョンや悩みを共有できる。
このような空間は、日々の営業活動の中ではなかなか得られません。
現場が直面しているリアルな課題、それに対する多様なソリューション事例を知ることで、
「自社ならどんな価値を提供できるのか」
「他社のサービスと掛け合わせると、どんな可能性があるのか」
そうした発想が自然と湧いてきます。
食団連は、私たちにとって“外の空気”を吸える貴重な場です。
――今後、飲食業界で挑戦したいテーマを教えてください。
データを活用した客単価向上支援に挑戦していきたいと考えています。
飲食店の皆さまが、自信をもって商品単価を上げられる世界をつくりたい。
現在の飲食業界は、人材不足や食材費高騰など、まさに「供給難」の真っただ中にあります。
こうした状況だからこそ、データをもとにした納得感のある経営判断が重要になる。
私たちは、多くの飲食店、そして利用者のデータを保有しています。
その知見を活かし、「単価を上げても選ばれる理由」をつくる支援をしていきたい。
それは、リクルートだからこそできる価値提供だと考えています。

――食団連と、これから一緒に実現したいことは何でしょうか。
どんなに優れたサービスやソリューションを持っていても、業界の実態を正しく理解していなければ、活かすことはできません。
食団連には、業界をリードする飲食店や支援企業の知見が集まっています。
その集合体は、まさに“ドリームチーム”だと感じています。
私たちはそこから学ばせていただくと同時に、自分たちもその一端を担える存在でありたい。
――最後に、「食の未来」に向けたメッセージをお願いします。
飲食業は、人の営みそのものに寄り添う産業です。
時代や環境が変わっても、「おいしい時間」を届けたいという想いは変わらない。
その想いを支えるために、私たちはこれからもテクノロジーとデータを磨き続けます。
飲食店の皆さまが、本当にやりたいことに集中できる時間を増やすために。
それが、食の未来をつくることだと信じています。
取材協力:株式会社リクルート
Division統括本部 SaaS領域統括
飲食Division Vice President
品川 翔様
サービス紹介URL
ホットペッパーグルメ: https://www.hotpepper.jp/keisai/
レストランボード: https://airregi.jp/restaurant-board/
Air ビジネスツールズ: https://airregi.jp/top/