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飲食は、日本が世界に誇れる筆頭の産業だ ――食べログを超えて、飲食業界を支えるカカクコムの挑戦 

飲食は、日本が世界に誇れる筆頭の産業だ ――食べログを超えて、飲食業界を支えるカカクコムの挑戦 

公開日:2026.03.19

更新日:2026.03.19

飲食店にとって、最も重要な仕事は何か。
料理を磨くこと。
サービスを高めること。

しかし現実には、それだけでは店は回らない。
人手不足、集客、SNS運用、DX、原価管理――。
店主は今日も厨房と経営の間を行き来している。

日々、多くの飲食店との対話を重ねてきた、株式会社カカクコムの鴻池拓氏。「食べログ」事業を統括する同氏は、現場の状況をふまえ、次のように語る。 

「飲食店の経営って、実はすごく高度な意思決定の連続なんです。」
日本最大級のグルメメディアを運営する企業は、いま飲食業界の裏側を支える存在へと進化しつつある。 

食べログは「メディア」だけではない

カカクコムと聞けば、多くの人がまず購買支援サイトの「価格.com」を思い浮かべるかもしれない。しかし、こと飲食業界において同社は、いまや日本の外食文化に欠かせないインフラとなった「食べログ」を運営する企業として、その存在感を放っている。

店探しの定番サービスとして定着した食べログ。だが、鴻池氏はこう語る。

「確かに食べログはメディアとしての認知が強いですが、いま私たちはその周辺領域を大きく広げています。」

コロナ禍をきっかけに、飲食店の経営環境は大きく変わった。
人手不足は深刻化し、デジタル化は急速に進んだ。

その中でカカクコムが取り組んできたのが、飲食店の生産性を高めるための支援だ。

求人サービスの無料提供。
予約台帳やモバイルオーダーなどのDXツール。
さらにはインバウンド向け予約サービス。

「メディアとしての集客支援だけではなく、飲食店が継続的に運営できるような環境づくりを支援する。そこに力を入れています。」

集客は「アウトソーシング」できる

飲食店の現場では、デジタル業務が急増している。

SNS運用
MEO対策
予約管理
口コミ対応

だが、厨房に立つ店主にとって、それらは本来の仕事ではない。

「グルメメディアは、言ってしまえば“集客のアウトソーシング”です。」

鴻池氏はそう表現する。

店がやるべきことは、料理と顧客体験を磨くこと。

そこに人と時間を使うために、集客やマーケティングは外部に任せるという考え方だ。

「もちろん自分たちでやる方法もあります。
でもそれは相当な労力がかかる。
そこを外注することで、店内の仕事に集中できる。」

 飲食店の意思決定は、想像以上に難しい

飲食業界は、想像以上に過酷な世界だ。

アルバイトが一人休むだけで、店のオペレーションは崩れる。

忙しい営業のあと、深夜まで販促作業をする店主も珍しくない。

「飲食店の経営者は、どの業務を外に出して、どれを自分でやるか。その判断を日々迫られています。」

その意味で、飲食業は非常にレベルの高い意思決定を要求される業界だという。

「本当にハードな仕事だと思います。」

だからこそ、テクノロジーやサービスによって、その負担を減らすことが重要だ。

 飲食は、日本が世界に誇れる筆頭の産業

では、カカクコムが飲食業界に関わり続ける理由は何なのか。

鴻池氏の答えはシンプルだ。

「飲食業界は、日本が世界に誇れる筆頭の産業だと思っています。」

和食は世界に広がり、日本の外食文化は世界中から注目されている。

しかし国内では、人手不足や収益構造の問題が続いている。

「もっと飲食業界に人が集まるような魅力的な環境を作りたい。」

飲食店からヒーローが生まれ、次の世代が憧れる仕事になる。

そんな未来を描いている。

 食団連という“窓口”

カカクコムは、食団連の設立当初から活動を支援している。

その理由は明確だ。

「業界としてまとまって行政に声を届ける窓口が必要だった。」

コロナ禍のとき、カカクコムには行政から多くのヒアリングが寄せられた。

「行政側も、誰に話を聞けばいいか分からない。
だから、結果として食べログのようなサービスにお声がけをいただくことが多かったんです。」

その経験から、業界として声をまとめる組織の必要性を強く感じたという。

食団連は、まさにその役割を担っている。

「こうした課題は、一企業では解決できません。業界として取り組む必要があります。」

 

業界の未来をつくるのは「ヒーロー」

鴻池氏が描く未来には、一つのキーワードがある。

ヒーロー。

「飲食業界から、いま以上にもっとヒーローが生まれてほしい。」

魅力的な店主。
革新的な料理人。
新しいサービスを生み出す経営者。

そうした存在が増えれば、飲食業界はもっと魅力的になる。

そして、そのためには業界がきちんと利益を生む構造であることが必要だ。

「飲食業界は、もっと儲かる業界であってほしい。」

それが鴻池氏の率直な願いだ。

食を支える仕事

カカクコムは料理を作らない。
だが、料理人が活躍できる舞台を整えることはできる。

集客。
DX。
業界の声を社会に届けること。

それらを通して、飲食業界の未来を支えていく。

「飲食業界がいっそう活気づけば、そこに人が集まり、もっと多様な店が生まれてくる。」

厨房の火を絶やさないために。
食文化を未来へつなぐために。

食べログのその先で、カカクコムは今日も飲食業界を支え続けている。


インタビュー協力
株式会社カカクコム
上級執行役員 食べログカンパニー長 鴻池 拓さん

Writer /

記事担当ライター