御社の事業概要と、飲食業界との関わりを教えてください。
Payn(ペイン)は、キャンセル料の請求・回収に伴う請求書作成、メッセージ送信、リマインド、入金確認までを一気通貫で自動化する請求ツールです。飲食業界を中心に、宿泊・ゴルフ場などでも利用されています。初期・月額無料で、回収できた場合のみ手数料が発生するため、リスクなく導入いただけます。多言語対応によりインバウンドのお客様にもスムーズに請求でき、顧客管理システム等との連携で回収率向上と業務効率化にもつながります。
飲食店にとってキャンセルは売上だけでなく、仕入れやシフト、現場の士気にも影響する構造課題です。Paynはその痛みを仕組みで減らし、店舗が無理なくキャンセルポリシーを運用できる環境を整えることで、安心して予約を受け付けられる体制づくりを支えています。また、回収に成功したキャンセル料は100%利益です。たった10,000円の回収であっても「10,000円の売上」ではなく「10,000円の利益」が発生することになりますので、非常に利益率が高い分野の業務であり、ただでさえコストの高騰が激しい飲食店経営者にとっては放置し続けてはいけない問題であることは明白です。
また、キャンセル対策を“守り”ではなく店舗とお客様の関係をより良くする”攻め”の取り組みと捉え、キャンセル料を支払った方に次回来店特典としてクーポンを提供するなど回収率をあげつつ、リピーターを作る機能も用意しています。飲食店が持続的に経営し、より良いサービスを提供できることが、店舗とお客様双方の幸せ、ひいては日本の食文化の未来につながると考えています。

食団連オフィシャルパートナーに参加されたきっかけは何でしたか?
参加のきっかけは、飲食業界におけるノーショーやドタキャンが、いまや社会問題と言えるほど深刻化している現状にあります。実際にキャンセルが発生した際、これまで多くの飲食店は泣き寝入りするか、現場で手作業の請求対応を行うしかなく、経営面だけでなく仕入れや人員体制、現場の疲弊にもつながっていました。
加えて私自身、飲食業界と10年以上関わってきた中で、ドタキャンやノーショーの課題を目の当たりにしてきました。過去には、飲食店向けに事前決済による対策機能を提供する会社に在籍していた経験もあり、予約時点でリスクを減らす有効性を実感していました。一方で、事前決済をお客様にお願いできる店舗ばかりではなく、業態や客層、地域性によっては現地決済が前提になるケースも多い。そうした現場の実情に触れるほど、「現地決済でもフェアにポリシーを運用できる仕組みが必要だ」という課題意識が強くなっていきました。
Paynはそうした状況を変えるために、キャンセル料の請求・回収を自動化する仕組みを広めてきましたが、サービスが浸透するほど「そもそものキャンセルポリシーの知識・設定・運用が業界全体で十分に広まっていない」という根本課題が見えてきました。
私たちは、飲食業界のキャンセル料請求における課題解決の方法として、Payn自身を業界標準として広げていくことが、店舗とお客様双方にとってフェアな予約文化を育て、業界全体の持続性に資すると考えていました。そうした折に食団連の活動を知り、「食の文化を未来につなぐ」というミッションに強く共感しました。キャンセルという構造課題の解決に取り組むことは、このミッションとも深く通じるものであり、食団連の皆さまと共に推進していくことが、結果として飲食業界へのより大きな貢献につながると考え、オフィシャルパートナーとして参加しました。
食団連との関わりはどうでしょうか?
先日参加した2025年の総会では、年間を通じた活動実績や2026年に向けた取り組みの予告を伺い、食団連が現場の課題を起点に業界全体を前進させようとしていることを改めて実感しました。
個社単独では動かしきれないテーマに対して、飲食店、関連企業、自治体・行政などを巻き込みながら“産業としての未来”を作っていく姿勢に触れ、これから私たちも一緒に活動を推進していけることに大きな期待を持っています。
自社ビジネスへの具体的波及効果として、新規リード・ブランド認知・行政連携等があります。食団連は業界の声を代弁してくれる存在です。Paynが向き合っているキャンセル問題は個々のお店の努力だけでは解決しにくい構造課題であり、業界全体で土台を整えていく必要があります。その意味で、食団連という“業界の共通基盤”に参画できたこと自体に大きな意義を感じています。
特に私たちが提供している「キャンセル料の請求・回収を自動化するサービス」というカテゴリは、まだ業界内での認知が十分とは言えない状況です。
まずはこの課題の存在と、対策の選択肢があること自体を広げていきたいと考えています。
そのためにも、今後は地方部会などにも積極的に参加し、ノーショーやドタキャンに悩む飲食店の皆さまだけでなく、食団連に参画されている、言わば「日本の食文化のリーダー」達にも、キャンセル問題の解決の重要性ついてに幅広く知っていただきたいです。
「キャンセル料は泣き寝入りと踏み倒しが当たり前で事業者だけが一方的に損害を被る」という、数十年続く悪しき慣習を、共に変えて、「キャンセル料は当たり前に請求し、請求され、支払う。」という、新しい文化を常識として根付かせていきたいと考えています。
また、資金力がある大企業だけが導入して できてこの問題を解決しても全く意味がありません。
規模の大小問わず、チェーンから個人店まで平等にこの問題に取り組める環境を作ることで、この社会問題を真っ向から解決していくというのがPaynが目指しているものです。
初期・月額無料で、回収に成功した時だけ手数料が発生するという導入しやすいかたちにしているのも、現場でまず試してもらいやすい形を徹底したいという意図からです。
これから飲食業界で挑戦したいテーマは何ですか?
私たちがこれから飲食業界で挑戦したいテーマは、キャンセルを“お店側の泣き寝入り”で終わらせない、フェアで持続可能な予約文化を業界標準として根づかせていくことです。
キャンセルやドタキャンは、売上の損失だけでなく、仕入れやシフト、現場の士気にまで影響する構造課題になっています。
Paynは、キャンセル料の請求・回収を自動化することで店舗の負担を減らし、安心して予約を受けられる土台を提供してきましたが、今後はサービスの普及に加えて、そもそものキャンセルポリシーの設定・運用が当たり前に行われる環境を、業界全体で作っていきたいと考えています。
そのために、食団連には引き続き「現場の声を社会や行政に届け、産業として前進させるハブ」であり続けてほしいですし、私たちもその一員として貢献したいです。
具体的には、食団連と行政・業界団体・加盟企業の皆さまと連携しながら、業界標準として広げていく取り組みを一緒に実現したいと考えています。キャンセル対策は“お店とお客様の関係を悪くするもの”ではなく、ルールが明確でフェアであるほど双方が安心できる、という文化を育てる活動だと思っています。
「食の未来」という観点で言えば、未来の食文化は、現場が安心して挑戦できる土台があってこそ育つはずです。飲食店が正当に守られ、働く人が誇りを持って続けられ、お客様も食事を安心して楽しめる、そんな環境が整うことが結果として地域の食、外食産業の魅力、日本の食文化の継承につながっていくと信じています。Paynは、キャンセルという構造課題に仕組みで向き合いながら、食団連の皆さまと一緒に、フェアで持続可能な外食産業の未来を作っていきたいです。
取材協力:Payn株式会社
パートナーシップ統括責任者
進藤 学様
企業URL: https://payn.io/