飲食業界が直面する深刻な人手不足。その解決策として、「特定技能(外食)」や「留学生」を中心とした外国人材の活用が急速に進む中、「本質的な課題に、専門的な知見と包括的なサービスで挑む企業がある。株式会社グローバルトラストネットワークス(GTN)だ。
同社は、「外国人が日本に来てよかったをカタチに。」を理念に掲げ、外国人専門の生活サポート企業として20年近くの実績を持つ。主力事業である賃貸住宅保証は累計50万人以上に利用され、そこから派生した携帯電話、クレジットカード、職業紹介、そして日常のあらゆる困りごと相談まで、外国人が日本で暮らすためのインフラをワンストップで提供してきた。
2025年1月より同社の執行役員として人材プラットフォーム事業を率いる青木千秋氏は、アパレル、エンタメ、不動産テックと多様な業界で事業を立ち上げてきた異色の経歴を持つ。彼がなぜ今、外国人材支援の領域に飛び込み、食団連のパートナーとして飲食業界の未来を描こうとしているのか。そのビジョンとGTNが提供する独自の価値について、深く話を伺った。
── まず、青木様のこれまでのご経歴と、GTNの事業概要についてお聞かせください。
青木氏: はい。私は学生時代のアパレル事業での起業からキャリアをスタートさせ、ユニクロ、ブシロード、不動産テックのイタンジなど、複数の業界で事業開発や経営管理に携わってきました。直近では外国人採用のマッチングプラットフォーム「Goandup」とメディア「Goandup Picks」を運営していましたが、その事業をGTNへ事業譲渡する形で、2025年1月から執行役員としてジョインしました。(詳細は同氏のインタビュー記事(https://wow.gtn.co.jp/368)でも語られている)。
GTNは、今お話しした通り「外国人の生活総合支援」を中核とする企業です。多くの方は「外国人専門の家賃保証会社」 というイメージが強いかもしれませんが、それは私たちの事業の一側面に過ぎません。
私たちの最大の強みは、「垂直統合された生活スキーム」にあります。住まい(保証・仲介) はもちろん、通信(GTN Mobile)、金融(GTNクレジットカード)、就労支援、そしてGTNアプリを通じた24時間・最大25言語対応の生活サポートまで、外国人の日本での生活基盤を自社サービスで一気通貫に提供できることです。
── 飲食業界との関わり、そして食団連オフィシャルパートナーに参加されたきっかけは何だったのでしょうか?
飲食業界は、今や外国人材なしには成り立たない、最も重要なパートナーの一つです。ご存知の通り、日本の労働力人口は2040年に向けて約1,200万人も減少すると予測される中、この流れは変わりません。
私たちは、「特定技能(外食)」 の在留資格でキャリアを築く方々や、アルバイトとして業界を支える「留学生」の方々など、飲食業界で働きたいと願う多くの外国人材を支援してきました 。
しかし、私たちが長年向き合ってきた最大の課題は、採用の「次」にあります。それは「定着」です。多くの外国人が「仕事」以前の「生活の基盤」でつまずいているという現実です。

── 加盟前に感じていた業界課題も、その「定着」の部分にあったと。
はい。例えば、「外国籍」というだけで部屋が借りられない。ゴミ出しのルールが分からず近隣トラブルになる。こうした一つひとつの“生活の壁”が、彼らの日本での安心した生活を阻み、結果として早期離職につながってしまうのです。
加盟前は、飲食企業様がそれぞれ独自に、担当者様の善意や努力で外国人材の生活サポートを担おうとし、その多大な「見えないコスト」やリソースの逼迫に苦慮されている姿を見てきました。私たちは、その重荷を専門家として引き受け、企業様には本来の事業に集中していただくことができると考えたのです。
── 食団連を通して得られた成果や気づきはありますか?
非常に大きな気づきがありました。多くの企業が外国人材の「定着」の重要性を認識し始めている一方で、その具体的な打ち手や、離職の根本原因がどこにあるのかを掴みきれていない、ということです。
離職理由は給与や仕事内容だけではありません。GTNに寄せられる年間20万件の相談データを分析すると、住環境のトラブル(騒音、水漏れなど)、ライフラインの手続き、医療相談など、生活に密着した不安が離職の引き金になっているケースが非常に多いのです。
── オフィシャルパートナーになって良かったと感じる点を教えてください。
最大のメリットは、飲食業界のトップランナーの方々と直接対話し、業界が直面するリアルな課題や未来のビジョンを共有できることです。これにより、私たちのサービスが飲食業界の皆様にとって本当に価値あるものなのか、どこを改善すべきなのか、その解像度が劇的に上がりました。
また、「GTN」という会社が「保証会社」や「人材会社」としてではなく、「外国人の生活課題を丸ごと解決できる戦略的パートナー」として認識していただける機会が増えたことは、非常に大きな価値です。
また、人手不足対策として「選ばれる企業」になる必要性が高まる中、私たちの包括的サポートパッケージ「GTN Assistants」に強い関心をいただいています。
これは、住居の手配(GTN借上)、ライフラインの代行手続き、携帯電話の来日前契約(GTN Mobile)、クレジットカードの発行サポート、そして入社後の24時間生活相談(GTNアプリ)まで、私たちが文字通り「一気通貫」でサポートするサービスです。
飲食企業様からは、「これだけのサポート体制があれば、外国人社員も安心して働けるし、何より人事担当者の負担が劇的に減る」というお声をいただき、具体的な導入検討が進んでいます。
── 御社がこれから飲食業界で挑戦したいテーマは何ですか?
私たちの挑戦は明確です。飲食業界における外国人材の「定着率No.1」 を実現する社会インフラになることです。
特に力を入れたいのが、住居問題の抜本的な解決策である「GTN借上」です。
これは、GTNが借主となって物件を契約し、家具家電やライフライン、インターネットまで全てセットアップした状態で、外国人材の皆様(転借人)に提供するスキームです。
これにより、外国人の方は「トランク一つで入居OK」となり、物件オーナー様はGTNとの契約になるため家賃滞納やトラブルの心配なく安心して貸し出せます。そして何より、受け入れ企業様は、社宅手配の煩雑な業務から一切解放されるのです。
飲食業界の皆様には、こうしたGTNのサービスを「福利厚生」の一環として導入いただくことで、外国人材にとって「日本で一番働きたい」と思える魅力的な環境を共に創り上げていきたいと考えています。

── 最後に、「食の未来」をキーワードに、業界に対してメッセージをお願いします。
「食の未来」は、多様性を受け入れ、その力を最大限に活かすことなしには築けません。日本の素晴らしい食文化を未来に継承し、さらに発展させていくためには、志を持って海を渡ってくる外国人材の力が不可欠です。
しかし、彼らを単なる「労働力」としてではなく、共に未来を創る「パートナー」として迎えるためには、彼らが安心して暮らせる「生活の土台」を整えることが私たちの責務です。
食団連の皆様と共に、外国人材が定着し、活躍し続けることができる飲食業界を実現し、日本の「食の未来」をより豊かにしていく。その挑戦に、私たちのすべてのリソースを投じていく所存です。
取材協力
株式会社グローバルトラストネットワークス
執行役員 / 人材プラットフォーム事業部 事業部長
青木 千秋 様
企業URL : https://www.gtn.co.jp/